女ひとり、土壁の家を建てる

40代会社員が土地を買って、分離発注で木と土の家を建てる記録

屋根は瓦で

最近の住宅は、ガルバリウムの屋根が多いですね。
以前、リフォームの番組でガルバのメリットを紹介していたのを見ましたが、確かにこれを採用してもいいなと思いました。

スレートやトタンは耐久性に不安があります。
そうなると、瓦かガルバリウムのどちらかだ。
瓦もいろいろ種類がありますが、一般的な粘土瓦がいいです。

今は新築で瓦を使用する割合はかなり低いみたいです。
ええ、わかりますよ。シュッとしてるもんね。いろいろメリットあるしね。

が。私は天の邪鬼なので、なぜ瓦がだめなのか、コスパも考えて決めようと思いました。

瓦が敬遠されている一番の理由は耐震性でしょう。
粘土瓦は重く、大きな地震がきたらその重さに家が耐えられず、倒壊する可能性があります。
倒壊しなくとも、瓦が落ちたりずれたりして危険だし、雨漏りしたりする。
震災後にいつまでもブルーシートがかかってる家も多くありましたね。

それに比べ、ガルバリウム鋼板はずれたりする心配はないし、とても軽い!
金属屋根(トタン)の欠点であったサビにも強くなって耐久性があるらしい。
太陽光パネルも載せやすいしね。

でも、昔から瓦が使われているのは理由があるはず。
調べると、断熱性、遮音性、耐久性に優れていることがわかりました。
素材自体もそうですが、重ねる部分に空気層があることがポイントのようです。
断熱を重視したい私は、瓦を使いたくなりました。

そうなると、家を頑丈にしなければなりません。
調べていくうちに、地震で倒壊した家は、そもそもの構造に耐震性がなかったのではないか、ということがわかってきました。
同じ地域でも各家で被害状況が異なります。昔の耐震基準で建てられた家に倒壊が多いようです。
地盤の問題もあると思います。

また、一定以上の力がかかると壊れてしまう、剛性のある現代の工法は接合部に負担がかかり、大地震に耐えられません。

それに比べると、伝統構法は木を組み合わせているので、一本一本の柱、貫、それから土壁が揺れを吸収して建物にかかる力が分散されます。

今の耐震基準に合わせて伝統構法で建てれば、重い瓦を上に載せても問題なさそうです。
屋根の重さに耐えられる家を作ればいいだけ。

ちなみに、どこの瓦メーカーのサイトでも、防水と耐震の技術が昔より大幅に向上していることを謳っていました。
ただ重ねるだけでなく、一枚一枚があわさるようにカチッとはめる構造になっていたり、水を侵入させない形状にしたり。
しかも軽量化しているようです。

設計をしてくれているT氏は、最初の提案ではガルバリウムを当然のように採用していました。
瓦がいいと伝えると、構造を見直さなければいけないですね、とボソッと言っていました。
災害で瓦がずれたら、今は職人さんが少ないからなかなか修理できないですよ、とも。

あと、値段も少々高くなるとのこと。
ですよねー。
ここはこだわるべきか。
屋根は後から簡単には変えられない。ましてや軽い素材から重い素材にはできないでしょう。逆ならまだしも。

小さい家だから屋根の面積も小さいし、ここはこだわろう!と瓦にすることにしました。

災害時は修理を待つというのは、程度の差はあれ、瓦以外でも同じなのではないかと思います。
構造計算やり直しが面倒だったのでしょうか(^^;

どこのメーカーで何色にするかは、これから悩みたいと思います♪

外壁と内装

土壁の家の外壁は、板張りになる予定です。

母に家を建てることを報告したところ、土壁の家なんて大丈夫?と言われてしまいました。

どうやら、骨組みなしで土壁だけで作ると思ったらしく、どこの3匹の子豚だよ!と突っ込みたくなりました。
子ブタちゃんに土壁はなかったけど(^^;

やっぱり土壁のイメージは古い・脆いかな…
昔の家はみんな土壁で、すきま風ビュービューだったから、それをイメージしてしまうよね。

今はきちんと施工すればそんなことないそうなので、心配していません。

土壁の外側に断熱材を入れ、その上に透湿防水シートを貼って、一番外側は杉板を横張りにします。

塗装はしません。
木の色の経年変化を楽しみます。
ただし、自然系の防腐剤は塗ります。ウッドロングエコというやつ。私もT氏に教えられて初めて知りました。
これも自分で塗ります。助っ人召集しないとだわ。

内装は、板張りとか、漆喰とか、中塗り仕上げ(最初に塗った土壁より目の細かい土と、砂を混ぜたものを上塗りする)とかいろいろです。
クロス張りは工法的にできないので、左官屋さんが活躍します。

どこをどう仕上げるのかはこれから決めます。
和風すぎるよりは、和モダンが好みだけど、私は美的センスがないので苦戦しそう…😅

建具とかもどうなるのかなあ、と。
まだそこの段階までいっていないので、確認できたら勉強しなきゃ…。

誰か私にセンスをください^^
かわりに体力を差し上げます!

基礎と断熱

前回は壁と断熱の話でしたが、今回は床とその下に断熱材を入れるか、です。

床はもちろん無垢材。たぶん杉になると思う。
柔らかいのでにゃんこの引っ掻き傷ができるんじゃと気になりますが、柿渋塗ってオイル塗布したら意外といけるんじゃないかと期待しています。
傷ついたらそれはそれで、生活している証とします(笑)

もちろん塗る系の作業は自分(たち)でやる予定。やりたがりの人もまわりにいるし、経費節減にもなって一石二鳥だ!

で、床下に断熱材を入れないと言ったT氏によると、断熱は床下ではなく、基礎でやるんだそうです。

あ、基礎断熱って聞いたことある。。
あれって、あまりよくない話聞くけどなあ。
24時間換気システムに通じる先進的感あるけど、なんかしっくりこない感覚。

基礎コンクリート内側に、外側から数十センチのところまで板状の断熱材を貼り、冷気が地面を通じて入ってくるのを防ぐという仕組み。
もちろん床下には換気口はなし。床下も含めて家の中と考えるんだそうです。

それはわかったけど、シロアリ被害が結構あるみたいで、怖いな。
調べたら、基礎断熱でもコンクリートの外側に断熱材を貼るやり方もあるみたい。
そしてその断熱材がシロアリの餌食になるという、恐ろしい事例がたくさん…((( ;゚Д゚)))

そりゃさ、地中にそんなものあったら腐るか食われるかだよね。

今は防蟻剤を使ったり対策は立てられているようだけど、ちょっと不安です。

断熱の効果を考えたら基礎断熱がいいことは確かなので、どういうシロアリ対策がなされるのか、T氏に確認したいと思います。

それからもうひとつ。
コンクリートは打設してから1年ほど、水分を出し続けるそうなのです。
だから除湿しなければいけない。

そ、そうなんだ。
サーキュレーターまわして湿った空気を床のガラリから出すのはどうかな?

このへんもどういう対策ができるのか、聞いておかないと。着工前に。

あれ、まだ図面できる前だった。
でも、疑問点は早めに解消しとかないとね。

まだまだ調べないといけないことがたくさんある…(^^;

土壁と断熱

このブログのタイトルが「土壁の家」、ということは、壁は土壁です。

どういう家がいいのかなぁと考えていた頃、自然素材は当たり前、だから木を使った家だとは思っていました。

最初は板倉工法という、木の柱に厚い板を落としこんでいく工法にしようと考えていましたが、土壁の調湿作用が優れていることがわかり、採用してみたいなあと思うようになりました。

ただ、下準備や塗る作業が大変そう。
竹小舞をかいたり、土を塗るのも一度だけじゃない。

昔は、家を建てるときは地域の人が総出で手伝ったというじゃないですか。
今は職人さん任せだけど、それだと時間もお金もかかりすぎる。

これに関しては、ワークショップを開けばいいとのこと(T氏より)。
小舞掻きと土壁塗りをやりたい人を募って、みんなで作業するんです。

ああ、それだったら人は集められる!
だって、私の田んぼの仲間がそういうの大好きだもん!
逆に小さい家だから、人数制限しなきゃいけないかも^^;

もちろん報酬はありませんが、携わった満足感とみんなで作業すること自体が楽しいと思うので、私も他のワークショップに参加してみるつもりです。

土壁に混ぜる藁は、自分の田んぼのものを利用したかったけど、雨ざらしで置いといたので使えないとのこと。
今年の収穫を待つ余裕はない!あきらめるか…。

藁は使い道がたくさんあるから、別のところでがんばってもらうとして(^^;

土壁はいいけど、まさか土だけ塗って終わりではないですね。
調湿作用はお墨付きだけど、断熱はそんなにしないみたい。
私は寒がりなので、やっぱり断熱はしたい。冷暖房に使うエネルギーも減らしたいし。

自然系の断熱材は調べたらいくつかあるのね。その中でもいくぶんお財布に優しそうなウッドボードというのがありまして。
完全な化学物質ゼロではありませんが、施工のしやすさと安全性とお値段を考えたら、これが一番でした。

これは建築士のT氏も過去に利用しているから問題ないとのこと。

またまただけど、断熱材に自分の田んぼでとれた米の籾殻を使いたかったなあ。

前に話を聞いた建築士さんは、田んぼやってるなら、籾殻を断熱材について使えるよ、と教えてくれて、結構興奮していろいろ調べました。

やはり籾殻は断熱性能はあるらしい。
知らない方のために言うと、籾殻は稲の一番外側の硬い殻です。
籾をはずしたら玄米になります。
籾すりをしたら籾殻が沢山出て山のようになります。
形状から空気を含みやすいので、体積が大きくなり、その空気の層で断熱するんですね。

籾殻に残っている米糠に虫がつくので、燻さないとだめだそうです。
それにしても、いくら家が小さいからといって壁全体に籾殻を入れたら大変な量になる!
厚みも必要だし、大工工事も増えるし、燻炭もどれだけつくらないといけないのか。
ちょっと現実的でないので却下となりました。

床と天井にも断熱を施したいとT氏に言うと、屋根は断熱しないとだめ、床下は不要という。
なぜ?冬寒いじゃん!

ということで、次は基礎の話になります。
(続く)

伝統構法、木組みの家

伝統構法とは、木造軸組の、金物を使わないで木を組み上げる建築方法だ。

昔の建物はこの作り方だったそうだが、今はかなり少ないという。
職人の減少や工期の長さ、費用の高さがネックらしい。

私は特に伝統構法にこだわっていたわけではないけれど、土壁をやるんだったら水分の影響を受けやすい金属を使わないほうがよい、とどこかに書いてあった。
また、依頼した建築士がたまたま伝統構法を得意とする人で、これはやるしかないべということに。

地震にも強いし、前にも書いたように通常よりも安く請け負ってくれる大工さんがいる。
日本の気候風土にあった、長持ちする家作りをしようじゃないか!

そんな気持ちで木組みの家を依頼することにしたのでした。

間取り案ができた

事務所にて、模型とイラストの間取りを見ながら説明を受けた。
ちょっとイメージと違うかなぁ…。

説明が下手な私は、あれこれ言いながら、なんとか希望を伝える。

T氏は表情を変えずに聞き、淡々と返す。
この人、怒ってるのかな?と邪推してしまうが、いやいや違う。これは私の悪い癖だ。
キッチンの位置、薪ストーブの位置、土間の広さなど、せっかく作ってもらった模型だが結構変わるね、これ。

その1週間後、修正された間取りがメールで送られてきた。
玄関土間から続く薪ストーブ土間、風呂などの水回りも動かして、きれいにピタッとはまってる!
あ、いいっすね。これで行きましょう!
この土間の作りはすごく気に入りました♥️
T氏も満足そう(笑)

あとは収納やドアの位置、二階面積などちょこちょこ修正して、今正式な図面を作成してもらっているところです。

ちなみに、延床面積26平米、○LDKとかはなくて、かなり開放的な作りです。
1人だしね。(二人に増えるかもしれないが^^;)

一応和室が猫部屋となっております♪
猫仕様ももっと考えなければ。いろんなとこ見て学んでいる最中でございます。

依頼する建築士を決めた

建築士のT氏と事務所にて打ち合わせをした。

要望を事前に伝えていたので、できることできないこと、そしてお金の問題について話し合った。

ワークショップを利用すれば2000万円でできるとのこと!分離発注万歳!

ところが、どうやら安さの理由は分離発注だけじゃないらしい。
儲けを追求しない大工さんを利用しているとのこと。普通の家の工事でないところで稼いでいるらしいので、格安で請け負ってくれているそうなのだ。

この大工さんじゃなかったらとてもこの値段じゃだめだって。
…だよね。ありがとう、大工さん、近隣でよかったわ。

そんなこんなで打ち合わせは終了し、浮わついた気分になったのでした。

ところで、これからこのT氏と一緒にずっとやっていくことになったわけだが、問題なくやっていけるかと考えてみた。

これまでのやりとりから倒産の可能性や人を騙すことはないだろう。また、木組み土壁の家を得意としていて私の志向と一致している。
あとは相性というのもあるが、これはなんとも言えない。
多くを語らず、必要なことをバシッと伝えるスタイル。

前に会った建築士の方は女性で、こちらの言いたいことを汲み取ってソフトな口調で話してくれる、コミュニケーションが優れている方だった。

T氏は男性、いろいろ話し合いたいと思うようなタイプではないけど、相談したら的確な答えが返ってくる。すごく頭がキレる人だと瞬時にわかった。

私はいろんな人(主に問題ある人)を相手にしている仕事をしているので、たいていの人とうまくやっていく自信はある。相性は最悪じゃなければいい。つーかこの人はいいほうだよ。

というわけで、数週間後に案を出してもらうことになりました。