農薬散布からの逃避
私は趣味で無農薬無肥料の米作りをしています。
安全で美味しいお米ができますが、収量は少なめだし、とんでもない労力がかかります。
営利でやっている農家は同じようにやると、超高価格で売らないと利益は出ません。
そもそも米は儲からない品目。
よほど大規模かブランド化しないと食べていけません。
私は道楽でやっているからいいけれど(一生懸命必死でやってるけどね)、生活がかかっている農家に有機や無農薬でやってほしいとは言えません。
農薬使えなかったら誰も作物を売らなくなってしまうでしょう。
稲の大敵はイモチ病やウンカ、カメムシなどの病虫害。
広がると大変なことになるので、地域一斉に農薬を散布します。ラジコンヘリで。
病害虫防除に関しては農業委員会が決めていると思われ、各自治体ごとに日程が決められ実施されます。
自治体ごとに要項が異なっていて、何も申し出がなければ全ての水田に散布するところ、散布するのかしないのかを届け出ないといけないところ、申し込みしたところだけを散布するなど、まちまちです。
一番最悪なのは問答無用で撒かれてしまうこと。農薬いらないのに勝手に撒くってどういうこと!?
私のところは、基本全面散布で事前に不要箇所を申し出る方式です。
撒かない田んぼには白旗を立てて、ヘリが誤って進入しないようにします。
これは全国どこでも一緒ではないかな?
よく見る光景だと思います。
うちはもちろん、毎年白旗を立てていますよ。
農薬散布のときは、外出しない、洗濯物を外に出さない、田んぼのまわりで犬の散歩をさせない等、注意喚起があります。
常識なのかもしれませんが、私は田んぼがない地域で育ったため、田んぼを始めるまでこの事を全く知りませんでした。
農家さんはこれ以外にも除草剤や肥料などを個人で撒きます。
だから、私たちのような無農薬/自然農などのグループは、農薬を使う農家の下の段で栽培はしません。
薬たっぷりの水が流れてきますから。
※農家の方を責めているわけではありません。
除草剤ねえ…。化学肥料はまだいい。虫の防除の薬も、いやだけど致し方ない。でも、除草剤だけはやっぱりいやです。
撒いたら植物が茶色くなって全滅していくあの光景は見苦しいです。
除草剤はいわば、枯葉剤の孫みたいなものですよ。
あれを製造していたメーカー(モ◯サント)が枯葉剤を改良して作ったのが、有名すぎるあのラウンドアップです。
グリホサートという主成分に発ガン性があるというやつです。
研究機関によって健康に影響がある/ないの見解はまちまちですが、こうなると何を信じるのか?という世界になってきます。
モ◯サントは大豆、トウモロコシ、小麦など、ラウンドアップに対応して枯れないように遺伝子組換えをした種を作り、それ以外の作物を枯らすようにしているんです。
種も薬も売ってぼろもうけです。
さて、これの意味がわかるでしょうか?
遺伝子組換え作物自体の安全性が問題ではないのです。
●遺伝子組み換え以外の作物が枯れてしまうこと。
→通常の作物を作っている人に被害が出る
●枯れない作物には大量に薬剤を使っているということ。
→有害物質をたくさん含んだ作物が市場に出回る
●農家は種を業者から買うことになり、農薬と種子を他者に依存することにつながる。
→農家の自立ができない
農家は作業が楽になる、農薬メーカーは儲かる。
Win-Winですね♪ …?
・・・
いやいや、いちばん大事な消費者が抜けていませんか?
三方よしでないといけませんよ!
水稲ではラウンドアップは使われませんが、様々な種類の除草剤がどんどん開発されて販売されています。
そして、ラウンドアップに耐性がある様々な雑草が出てきているのも問題です。
抗生物質と耐性菌のような関係です。
いたちごっこが続いている今日も、ジャブジャブに薬に浸かった農作物が全国で販売されています。
しかし、まさか個人が除草剤を使う時代が来るとは思っていませんでした…。
庭に雑草がはびこって大変!
あら、ホームセンターに除草剤が売ってるわ。
これ、便利ね♪ あら、こんなに効くのね!
きれいなお庭でうちの子を遊ばせられるわ♥
ポチも大喜び(*^-^*)
みんなで芝生に寝っころがろー☆
もうホラーですね。
でも、こういう話、実際にあるみたいですよ。
ちなみに、グリホサート系除草剤の販売や使用を禁止しようとしている国が増えています。
自分が強い思いを抱いていると、どうしても主張したくなってしまい、こんな記事を書いてしまいました。
でも、真面目にお子さんのいる方はよく考えてみてくださいね。
最終的には何を信じるか、ですけども。
先日、田んぼに行こうとしたらその日が農薬散布の日だったので、日程を変更しました。
今はラジコンヘリじゃなくて区画を完全に記憶して動作するドローンがあるみたいですよ。
それ、採用しませんか、農業委員会さん!